安定同位体分析
サービス概要
水素(H)、炭素(C)、窒素(N)および酸素(O)は、生物の体を構成する基本となる原子です。これらの原子には、質量数(原子量)が異なる安定同位体が存在しています。これらの同位体の存在割合はほぼ一定ですが、環境により僅かに異なっています。
生物の中の同位体比は、その生物が育った環境や食物の同位体比を反映して僅かに変化しますので、これを、その生物が生息する環境を判別するための指標として用いることができます。(植物の同位体比は、その植物が育った環境の同位体比を反映し、動物の同位体比は、その動物が食べた生物(植物、動物)の同位体比を反映します。)
安定同位体比等の分析サービスは、水素、炭素、窒素及び酸素の安定同位体を測定することにより、産地判定、食品の産地予想、はちみつ100%などの商品表示の確認に役立てます。
安定同位体分析の主な応用例
- 食品・添加物(起源判定・産地の照合・生育履歴)の鑑定
- ドーピング検査
- 司法鑑定材料の分析・犯罪捜査
- 有機材料、無機材料の分析
- 環境(植物・土壌・海洋)試料の分析
- 学術研究
分析方法
対象試料を燃焼または熱分解法により分解した後、安定同位体比質量分析計を用いて同位体を測定します。
安定同位体比質量分析システム (EA/TC-EA/IRMS)
分析試料を金属キャプセルなどに包み、燃焼炉または熱分解炉でガスを発生させ、ガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析計で試料ごとに安定同位体比を測定します。